そろそろ次のたらいが回りそうな“たらい回し本のTB企画”
書き溜めていた記事のデータをうっかり消してしまい意気消沈してるうちに夏も過ぎ去り、虫の声に耳をかたむけつつ春の庭を夢みて、種や球根やらを物色する9月となってしまいました。機会を逃してしまいましたが、たらいを回しておきながら、参加しないのもどうかと思うので、こっそり参加してみます。
だってほら、このままじゃ気がかりで、種を撒けやしないもの。
ただひたすら、ぺこぺこ。。。。陳謝陳謝。
遅咲き狂い咲きの参加ですが、どうぞよろしくお願いします。

第44回たら回し本のTB企画、主催は美結さん。
お題は「種子を蒔くもの、花と緑の物語」 。
◆植物が登場する本
◆花の情景描写が印象的な本
◆植物の息吹、生命力を感じる本
◆植物といえば農作物もOK。あくまで田畑での話で。
◆植物の利用方法
素敵ですぅ。(泪)
実は、このお題だけでおなかいっぱい。幸せ満腹多幸症状態ですっ飛んでいってしまってなかなか帰ってこれません。(笑)
ご紹介したい本がたくさんありすぎて選べません。(嬉しい悲鳴)
既出でかぶってしまったらすみません。どうかお赦しを。
植物といえば、梨木香歩さん!
なので、梨木さん作品は敢えてはずしてみました。
小説で印象的だったもの。
ライフワークとしてきづくとぼーっと眺めている図鑑。(笑)
植物にまつわる随筆。3つに分類して紹介します。
●小説系
『体は全部知っている(みどりの指)』吉本ばなな
・『体は全部知っている』の冒頭に収められた短編「みどりの指」
大好きな作品です。といいつつ感動したことは憶えているのですが、内容を忘れてしまったので、再読します。orz
『綺譚集(ドービニーの庭で)』津原泰水
・『綺譚集』に収められた短編。「ドービニーの庭で」
これは、ゴッホが晩年に描いた庭の風景を自宅の庭に再現せよと、主人公である装飾家に依頼する資産家のお話なんですが、同じく津原氏のピカルディの薔薇も共通のイメージで、その独特のパラノイア気質と死生観に震えました。
『夜市(風の古道)』や安吾の『桜の森の満開の下で』にも同じことがいえるのですが、結界を破り植物の世界に足を踏み入れた時にぶわっと湧き上がってくる畏怖が巧みに表現されていてとても印象深く忘れられない作品です。
『光の指で触れよ』池澤夏樹
種を撒きその生命をひきとることの意味と対峙する物語。
『すばらしい新世界』の続編ということでしたが、私はコチラから先に読んでしまったのですが、なんの遜色なく読めました。池澤さんの作品はどれを読んでも、自然や、目にみえない圧倒的に大きなものに対しての畏敬の念がこめられていてどの作品を読んでも、背筋がすっと延びてしまいます。『スティル・ライフ』から20年近く、その静謐さを失うことなく、更に梁がしっかりして力強い作品になっています。
「生きるということは次々に新しいことが押し寄せてきて、それとぶつかって、
乗り切って、それで先に進むこと。』
「運命というのは与えられたものをそのまま受け取ることではない。
一歩ごとを確信を持って踏み出して、その結果を引き受けること。」
●随筆系
『私の部屋のポプリ』熊井明子
これは熊井さんの、匂い立つ言葉のポプリ。
清しいだけでなく 優しいだけでなく 甘いだけでなく
スパイシーなだけでなく 清冽なだけでなく
凛々しいだけでなく ふくよかなだけでない。
気骨ある気品。 梨木香歩
梨木さんの推薦文に惹かれて買いました。文体やセンスは少し古めではあるけれど、昭和の「暮らしの生活」エッセイを読んでいるようで心地よいし、勉強になります。“気骨ある気品”とは、言いえて妙!
『語りかける花』志村ふくみ
職人(染色家)である志村ふくみさんの文章は、どれをとっても静謐でありながらにしてリアリティに満ちていて魂につきささります。自然からもらってばかりいる日々が続くと、こちらの本を読んで自分に鞭を打ったりします。
『木』幸田文
「樹木に逢い、樹木から感動をもらいたいと願って」北は北海道、南は屋久島まで、歴訪した木々との交流を描いた随筆集。
幸田さんのまっすぐな視線と行動力は、その文章によどみなく顕れていて、木という生命をまるごと受け入れるあたたかな目線とその姿勢にうたれました。とりわけ、「ひのき」 (悪条件のなか成長し困苦をふみこたえて見事大木に育った樹木は、下等でつかいものにならないという。育つときの無理がたたって、ひずみが生じアテというどうしようもないたちの悪さをもたらすという。これを、人の生い立ちに思いをはせ憤慨する逸話)の一遍が印象に残ってます。木の本質をとらえ、そこから、人間の業、生死の究極のかたちまでを見る感性の豊かさに、読んだ当時はずいぶんと憧れたものです。
●図鑑図録系
『花空庭園』/荒俣宏
『花の王国』シリーズ/荒俣宏
「園芸植物」 「薬用植物」 「 珍奇植物」
『フローラ逍遥』澁澤 龍彦
『Les Roses バラ図譜』ルドゥーテ
*****
そのほか、木から力をもらうといえば、 『氷の海のガレオン』/木地雅映子と『NIGHT HEAD DEEP FOREST 』飯田譲二も印象的ですし、高村薫さんの『新リア王』にでてきたサイカチという大木は是非実物をみてその恩恵を授かりたいです。人間は人以外の自然の生物と一日2時間触れ合うことで、心が浄化されると聞いたことがあります。私自身、土に触れ木々や花と接することで、多くの気をもらっているように感じます。母が亡くなる以前は、花と緑にさほど興味を抱いているわけでもなく、ただひたすら本を読んで知った気になっていたりしました。母が育てた庭が、亡くなったいまでも生きていて、忘れたころに思わぬ主張をしてくるにつれ、母と対話をするように庭作りをしてきました。そうすることで、「種子を蒔くもの、花と緑の物語」たちが、一層際立って身にはいってきたように思います。
ふと、種子を蒔くの“蒔く”という草冠に時と書かれたこの漢字の形成をみて、妙に感動してしまいました。たくさんの本を読んだ時は決して無駄でなく私という心の種子として蒔かれていたのですね。感謝してやみません。
最後に、酸いも甘いも抱合した植物の珠玉の物語集をご紹介します。
東さん相変わらずよい仕事をしてます。(うるうる)
『植物』(書物の王国)
*****
ウィジェットでスライド作ってみました。
美しい装丁にうっとり。^^
Posted by li-cafe at September 10, 2008 10:42 AM
●天藍さん
天野喜孝さん、キターーーーー!!!
あああああ、やはり、思ったとおり。
天藍さん、津原さん読むしかないですよ。(きっぱり)
私からのおすすめは、「綺譚集」と「ピカルディの薔薇」です。
ピカルディ〜の装画は、金子國義ですよ。
正気と狂気が交錯し、シンと静かな水面に浮かびあがる自分をみるような不思議な感覚をあじわいます。
ところで、天藍さん、レディオヘッド、ゆかれますか?
私は、指をくわじたばたしてます。。。。泪
TB、だめでしたか;;
本文中の言及リンクがなくてもokの設定に変えてみましたが…やっぱり撥ねてしまったら申し訳ないです。。
「綺譚集」の表紙!!本当!!
「ベンズ」のジャケットを天野喜孝さん方向にしたような印象を受けました(絵柄、だいぶ違いますけど;)
津原さん作品、読みたいのが「たら本」の記事を拝見するたびに増えて大変です…(^^;
●天藍さん
こんばんは〜!
ごあいさつしにいこうとおもっていたら、またしても先をこされてしまいました・・・って、私が遅すぎるんですよね。すみません。
そして、どうもTBがおくれないようなんです。
なんども、おくってしまっていたら、すみません。
天藍さんのコメントを拝見しつつ、「この〜木なんの木、きになるきになる・・・♪」をついうたってしまいました。
サイカチの木、調べれば調べるほど、興味深いです。
トゲが10センチ以上あって、薬にもなるとか。
400年は生きるというのですから、その果てしなさにひれふしてしまいます。
サイカチの実のお話、読んでみたいです〜。
おもいだしたら、また、教えてくださいね。
津原さんの『綺譚集』は、きっと、きにいられると思いますよ。
だってほら、この表紙からして、レディオヘッド〜ベンズみたいではないですか!?
ぜひぜひ〜!!!ご感想、楽しみにしてます。
ご無沙汰しております天藍ですー^^
梨木さんの「気骨ある気品」って、ほんと、いい言葉ですね。言葉のポプリ、味わってみたいです。
そしてそして津原さん、どうしよう、ものすごく木になります…もとい、気になります。
「桜の森の〜」と通じる雰囲気とは!
「サイカチの木」でなんだか幼いころの記憶をぼんにゃりと思い出したのですが
絵本で、サイカチの実でハンカチを洗う話って、、なんか、ありませんでした?なんだったのか今気になり始めまして。。
せっけんじゃなくてこの実で洗うといいにおいがするし良く落ちるんだよ、というくだりがあったような。。
それで続けて思い出してるのが「モチモチの木」なわけで自分がどうしたものかという感じです。
とりとめなくツッコミづらい話をしてしまいまして、、失礼いたしました。
Posted by: 天藍 at September 17, 2008 07:10 PM●overQさん
こんばんは!
たいへん、ご無沙汰をしておりました。
しかも、霊験あらたかな(意味あってます?)なお言葉までいただいて、恐縮です。
>花の咲く「庭」は、マツリゴトの場。もとより「門」であり、「鍵」であるもの。
このあたりのくだり、くらくらしにまにましながら読ませていただきました。
作庭が、秘儀!!!だなんて!!!素敵すぎます。
姉が作ってくれた「秘密の庭」という物語ごっこをよくしてい子供のころの記憶がぶわっと蘇ってきて、そうか、あのころから、種はすでに植えられていたのだと思って、ひとり感慨にふけっています。(笑)
唐草模様は護符なのですね。
それを思うと、梨木香歩さんの「からくりからくさ」は、よきこときく等ももからめてあって、つくづくよくできた作品だな〜といまさらながら感心してしまいます。
北京オリンピックの聖火台も、唐草模様でしたね。
どうして唐草なんだろう?と不思議に思ってみてたんです。
なるほどなるほど!!!
すっきりしました。ありがとうございます。
●四季さん
こんにちは!!!
エントリー遅くなりました〜〜〜。
でも、やっとやっとアップできて、四季さんからコメントいただけて嬉しいです。(足ばたばた)
四季さんも、ばななさんお好きだったのですね。
私もずぅーっと読んでたんですけど、最近のものは読まなくなってしまいました。
これって、やはり、私自身の変化なのかしら。。。
熱心にのめりこむように読んでいたのは、こちらの「体は全部知っている」までなんです。
春樹さんもそうなのですが、ばななさんも、短編のほうが好みだったりします。
植物と同じように、こころの処方箋のような働きがあるような気がしてなりません。
そうそう!
四季さんの薔薇も、もっともっと紹介してくださいね。
楽しみにしてるんですからっ。
●美結さん
いえいえ、参加するの本当に遅くなってしまって申し訳ありませんでした。
池澤さんの作品は、すべて読みたいと思いつつも、もったいないので、期間をあけてちびちび読んでます。
なんとなくなのですが、池澤作品に呼ばれる時期ってありますよね?
「光の指で触れよ」も、この時期に読むようになってたのかしら?と思うくらい、不思議な縁を感じます。
そして、この本を手にした時にコチラのお題が始まったので、本当にびっくり。
丁寧に丁寧に、育ててらっしゃる月下美人。
息をのむようなこうごうしさに感激しました。
いつか、その香りに包まれてみたいです。
私でも、育てられるかしら?
まだ、そのときはこないようなので、その時がきたら、ご指導お願いしますね。
そしてそして、素敵なお題、本当に本当にありがとうございました。
Posted by: pico at September 16, 2008 11:14 PMアマゾンのウィジェット、ほんとにどの本も表紙が奇麗です。
そして、あらためて、初期の荒俣宏の仕事の異常さを感じました。
その花は、いったい、どこに咲いているのだろうか、と。
やっぱり人間じゃないのかもしれません☆
博物学って、世界が無限に広がる平板から、有限な球体に変わるサカイめに現れた情熱。
無限平板だと、夢も限りなく見ることが出来て、珍奇な動植物、人の営みが空想できた。
でも、それが有限に閉じられるとき、「あの夢幻に広がる世界」は、たぶん本の中に封印された。
荒俣宏はその封印を解く「鍵」そのものなのかも。
picoさんとこは、ブログの背景も唐草模様。
唐草模様はたぶん護符が起源。家紋も漢字も、たぶん貨幣の起源もそうなんですよ。
護符っていうのは、守るもの…「門」であるけれど、同時にその反対のもの…つまり「鍵」。開くもの。
護符…としての、花。
花の咲く「庭」は、マツリゴトの場。もとより「門」であり、「鍵」であるもの。
作庭をされたpicoさんは、その手で「秘儀」に触れられたかもしれません。
Posted by: overQ at September 14, 2008 07:54 PMpicoさん、こんにちは〜。
沢山出てきましたね!
この中ではやっぱり吉本ばななさん。
ばななさんはほんと大好きで、
「哀しい予感」なんて、本が擦り切れるほど読んでるのに
実は「アムリタ」辺りまでで止まってしまっているんです。
この頃、ばななさんの作品も少し変化したと思うんですけど
当時好きだったほかの作家さん(春樹さんとか)も
時期を前後して読まなくなってしまったので、
むしろ私の変化のせいのような気がするんですが…。
久しぶりにうずうずと読みたくなってきました。
読まなくちゃ!
お母様と対話するような庭造り、いいですね。
庭って、ずっと世話していた人がいなくなっても
その人を感じられる空間ですよね。
と、私もちょっと実感していたり。
あの薔薇のアーチに薔薇がいっぱいになったら
どんなに素敵でしょうね〜。
また写真を楽しみにしてますね。^^
たら本参加ありがとうございます。
なんだか泣けてきました。
この涙は気持ちの浄化。
『光の指で触れよ』も好きな作品です。『すばらしい新世界』もいいし、もっと池澤作品が読みたくなって、訳版の『Dr.ヘリオットのおかしな体験』を図書館から借りています。
この半年色んなことがあって、種を蒔く意味に再び巡りあえました。今晩か明日は月下美人が今年初めて開花しそう。とっても元気をもらえました。感謝!
ご紹介頂いた本は少しずつ読みます。